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リミテッドについて語っていこうと思います。


今回のお題:デッキは2色?3色?

 

前回「土地は17枚」という話をしました。「17枚ではない時もあるんだよ」というまとめでしたが、この枚数はリミテッドでの基本の形であるのも間違いありません。


もし土地17枚で2色デッキなら、各色のカードが均等に入っていれば土地も均等でしょうから9枚+8枚とかになるでしょう。

3色デッキだと、基本地形だけでまかなうという前提なら土地の割合は7,6,4とかになるんですかね。6,6,5の完全な均等3色は無いと思うので。




果たして、それで正しいのでしょうか。



リミテッドと構築の一番大きな違いは、そのマナベースにあります。構築では2色デッキであっても2色特殊地形を活用することで色事故を起こさない様組み上げますが、リミテッドでは大半の土地を基本地形で補います。そのため色事故は非常に起こりやすい環境です。



さて、欲しい色が初手に来るにはどのくらい入れておくべきでしょうか。



自分はそのラインを7枚と決めてあります。マリガンして手札6枚になっても期待値1を超えるのは7枚以上のため。6枚だと若干不安になります。


純粋な期待値での話でいえば、5枚くらいでも4ターン目には来る確率は高いでしょう。ただ、マジックは運が絡むゲームであるため初手に色が揃っているのとそうでないのは安心感が違います。そういう意味では確実に初手に色を揃えたいときは7枚はデッキに入れたいです。


均等3色で、はじめから全ての色マナを要求するなら各色7枚ずつ、計21枚入れないといけないわけで特殊地形の力を借りないと結構きついです。ですので、通常は2色で組み上げるのがベターだと思っています。

(※タルキール覇王譚+運命再編のような、コモン枠や基本地形枠から特殊地形が大量に出てくる環境の場合マナサポートが潤沢なため、3色が前提となる環境になることもあり得ます)



じゃあ3色にすること自体あり得ないのか、というとそうではありません。逆に3色にするメリットもあります。強いレアがシングルシンボルの場合、もしくはマルチカラーで1色だけかぶっている場合、そういうカードを採用するためにタッチで3色にすることはよくあります。「2色がいい環境なんでしょ」と2色にこだわりすぎて損をする構築をしていることもよく見かけています。タッチカラーとしての3色目は検討に値します。


2色のデッキにタッチで3色目を入れる際の注意として、「メイン2色をつぶしてまで無理なマナベースを作らない」ことと、「どのタイミングで引けば役立つカードなのか」を意識して入れるようにします。

例えば、白青にタッチ赤をしたとして白青が出る土地が1枚、青赤が出る土地が1枚あると、


平地 7枚

島 5枚

白青 1枚

青赤 1枚

山 3枚


と入れれば白:青:赤=8:7:4となり、そこまで無理なく赤いカードを導入することができます。逆に基本地形でしか色マナを賄えない時は、「軽いマナで」基本地形をサーチできるパーツがあるのか、土地以外でも他の色マナを生み出せるパーツがあるのか、などで投入枚数を決めます。

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多色地形は(色さえかみ合えば)デッキの構築の幅を広げる良カードとなり得る


また、タッチで入れるカードに関しては必ず「いつ引いても強いカード」を採用するようにしましょう。よほどでない限りタッチカラーの土地は4枚程度までしか入れられませんので、初手に来る確率は相当悪いです。
よく「クリーチャー少ないからタッチで2マナ2/2クリーチャーを入れる」みたいな人を見かけますが、よほどのクリーチャーでない限り事故ってテンポ負けするのでやめましょう。マナカーブの埋め合わせにタッチカラーのスペルを使うのは危険です。


またタッチで入れるスペルは、個人的には2枚まで、どんなに多くても3枚まで、と決めています。初手に2枚とも来てその色の土地がなかったら確実にマリガンする羽目になりますので、純粋に事故率を上げる要因にしないよう心掛けるのも大事です。



その他、土地配分で個人的にこのくらい、と決めていることがあるので箇条書きしておきますね。主にダブルシンボルがらみです。


・2マナのダブルシンボルのカードが複数あって、できたら2ターン目に唱えたい時 → 理想は10枚、少なくとも9枚は欲しい

・3マナのダブルシンボルがカードがあって、できたら3ターン目に唱えたい時 → 理想は9枚、少なくとも8枚は欲しい

・5マナ以下のダブルシンボルがあるとき → 少なくとも7枚は欲しい

・上記最低ラインの枚数の土地が用意できそうにない時 → 該当するダブルシンボルのスペルのマナカーブを1つ重たく計算する

・トリプルシンボルについて → 最低8枚用意できないようならデッキには入れない、その上で出たらラッキーくらいの感覚で考える



せっかくなので、自分が過去ドラフトで作った(そして個人的にうまくできたと思う)デッキをいくつか紹介します。


・その1
IMG_0173

ほぼ青単の構成ですが、ちょっとだけ黒が入ってます。土地を均等に用意する必要は全くない構成なので、島を多めに入れますが黒マナも1つは欲しいので島:沼=10:7にしました。



・その2
IMG_0192

(GP北京のサイドイベントのものなので中文です)
2枚の霊魂波があり他のスペルが全てコピーすると美味しいものになったため、ツボにはまった時を優先して、島を2枚入れました。首折れ道の乗り手(1赤赤)がありますが、必ず3ターン目にこのクリーチャーを展開しないといけない構成でもなく、純粋に軽量カードの多い白を優先に土地を用意しています。



・その3
IMG_0193

(その2同様GP北京サイドイベントのものです)
古き知恵の賢者をタッチした青白。デッキ構造上、地上を固めて飛行クリーチャーやフィニッシャーを待つデッキになっていること、荒原のカカシが2体いて、古き知恵の賢者との相性が抜群にいいため、序盤に白青両方揃っていて欲しい構成なため、森を極限に減らして1枚にしています。

 
 
うまく行ったものばっか載せて若干ズルいですけどね。



当然カードプール次第ではうまくいかないことも多いですが、よく対戦相手が勝手に「事故ったー」とぼやいていて、マナベースを聞くと「そりゃ無理だろ・・・」みたいなことがあるので、少しでも参考になれば、と思います。
 


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