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これはロマンに挑戦し、散っていった者どもの話

「無限」。たった二文字にして、あらゆる数を上回るこの言葉にロマンを抱いたことはないでしょうか。
有限の世界に生きる我々には、想像はできても決して辿り着けない世界。「直径20kmの岩を100年に一度天女がやってきて羽衣で撫でて、その岩がすり減ってなくなるまでの時間」を劫(こう)と言い表したりしますが、それすら無限ではありません。「億劫」という言葉はその億倍のことを指しますが、これも無限には届きません。ていうか億劫ってすごい言葉ですね。

さてMTGにはこの無限を実現させようというコンボデッキがいくつも存在しています。とはいえルール上「無限回」を選択することはできないのでどこかの実数に落ち着くわけですが、「望む限り何度でも」という無限コンボは他のデッキにはない輝きを放っています。
無限マナ、無限ターン、無限トークン、無限パワー/タフネス… MTGでデッキを作る者にとって、これらを夢見たことがないなどということはないでしょう。
そこで考えたのです。MTGで、まだなされていない無限はないだろうかと。そしてたどり着いた答えこそ「無限戦闘フェイズ」です。

それでは今回の主役をご紹介しましょう。
ボロス軍のギルドマスターにして伝説の天使「戦導者オレリア」さんです!
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オレリアは各ターン最初に攻撃するたび、追加の戦闘フェイズを獲得します。
ここで注目すべきは「オレリアが」「各ターン最初に攻撃するたび」となっている点です。つまり一度攻撃をした後に新たなオレリアが戦場に出た場合、そのオレリアはまだ「各ターン最初に攻撃するたび」を満たしていない為、戦闘フェイズを重ねて追加できるのです。
彼女は速攻も持っているため、白が得意のブリンク(例えば「雲隠れ」)を使えばこの利点を簡単に満たすことができます。

ですがこれは手札を使用しているため、有限戦闘フェイズにしかなりません。
そこで、彼の登場となります。
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勇ましく戦場へと駆ける彼の能力により、攻撃クリーチャーのコピーを作り出すことができるのですが、何よりも優れているのがこの手の能力によくある「トークンでない」という制約がないところ。
トークンをも使いまわすことでこのような戦略が実現されるのです!

【無限戦闘フェイズへの取り組み】
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戦闘開始時、「戦導者オレリア」と「炎駆の乗り手」の能力が誘発。
 
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「炎駆の乗り手」の能力で「戦導者オレリア」のコピーを連れてくる。

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オレリアは伝説なので対消滅。古い方を削除します。

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コピートークンは攻撃している状態で出てくるので、乗り手とトークンが攻撃。

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新しい(また能力を誘発させられる)オレリアが残って追加戦闘フェイズに入る。

 →はじめに戻る
 

Q.オレリアの能力が2体分誘発しないの?
A.「攻撃している状態で戦場に出す」場合、「攻撃するたび」の能力は誘発しません。

Q.戦闘で「戦導者オレリア」や「炎駆の乗り手」が討ち取られたらどうするの?
A.そこは彼の出番です!
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なんと、攻撃クリーチャーに対するダメージを全て無効化してくれるのです。無限かつ無敵!すごいぞ勝利の神!

相手のクリーチャーのタフネスがどれだけ高かろうと、ターンをまたがないのでいずれは討ち取ることができます。ブロッククリーチャーがいくらいようと、ライフがどれだけ多かろうと、無限に攻撃できるので、まさに羽衣を振るう天女のごとくいつかは削りきることができるのです。そう、これこそ「ずっと俺の戦闘フェイズ」!


…と思ってパーツを集めてデッキを組んでから、気付いたんですよね…
「戦導者オレリアが各ターン最初に攻撃するたび、あなたがコントロールするすべてのクリーチャーをアンタップする。このフェイズの後に、追加の戦闘フェイズを加える。
「炎駆の乗り手が攻撃するたび、他の攻撃クリーチャー1体を対象とし、そのクリーチャーのコピーであるトークンを1体タップ状態で攻撃している状態で戦場に出す。戦闘終了時に、そのトークンを追放する。
一度戦闘フェイズを終了してから新たな戦闘フェイズに入るため、毎回戦闘終了ステップを経由しちゃうんですよねー。つまり追加の戦闘フェイズには炎駆の乗り手(とイロアス)しかいない訳で…
やはり無限というのは、手の届かない星の輝きなのかもしれませんね…


こんな失敗談も、あなたのデッキ作りのインスピレーションに繋がれば幸いです。


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