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月夜の晩のうしみつ時に ヤモリとバラとローソクを

#これはカジュアルプレイ・初心者・初級者の方をメインに見据えた記事です。
 中・上級者の方はニヤニヤしながら適宜アドバイス下されば助かります。

MTGの魅力の一つに、コンボを生み出す、シナジーを結びつける、というものがあります。色やエキスパンションを跨り、接点のなかったパーツを組み合わせて誰も想像しなかった効果を発見できた時の喜びはひとしおです。
それとは別に、公式から「これとこれ、組んで使ってね!」みたいな提示がされる時もあります。表現したいイメージや現象が先にあって、それがカード化される「トップダウン」なカードだなんて言われる、今回はそんなやつらの話です。

今回の主役はこちら。
 
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「泡立つ大釜」は自分のクリーチャーを生け贄に捧げる(グツグツ煮込む)ことでライフが4点回復する薬を作れるのですが、この時「ただれたイモリ」を煮込むとなんと、対戦相手から4点のライフを奪う薬が出来上がります。
 
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「ただれたイモリ」は死亡した時に対戦相手のクリーチャーに-1/-1の修正を与える小憎いヤツですが、隣に「泥沼煎じの魔女」がいると-4/-4修正を与えるクソ憎いヤツになります。
 
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「泥沼煎じの魔女」はそんな釜とイモリをサーチできるおばあちゃん。すっごい小顔なのかと思いきや肩肘張りまくってるだけでした。

つまり、魔女がこしらえた釜でイモリを煮込む、という黒魔術を再現しようという3枚なんですね。
正しい手順と材料で出来た薬は、対戦相手からライフを奪っているという点から見ておそらくいわゆる「惚れ薬」的なものなのでしょう。イモリの黒焼きは古来から惚れ薬として有名ですが、実は日本にもその効能ごと輸入されており、「遠く離れた場所でオスとメスのイモリを焼いたら煙が空で繋がった」なんていう逸話が残されていたりします。
また余談の余談ですが、イモリはそういった薬と近しい関係性がありますし、魔女といえば怪しげな薬作りは当然嗜んでいるものですが、実は魔女とイモリを直接結びつけるような話はあまり残っていません。シェイクスピアの「マクベス」で魔女がイモリの目玉を材料に使っているシーンがありましたが、その他の具材(龍の鱗とかトルコ人の鼻とか)の方が強烈ですし、どうしてイモリが怪しい薬の材料界のエースを担っているのか、これも興味深いところであります。


さて、これらのカードは全て「基本セット2014」に収録されていまして、先に述べた通り公式からの「組み合わせてね」という意思を感じるのですが、実は同じく「基本セット2014」にはこんなカードもありました。
 
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4点のライフを回復していると天使が祝福しに来てくれるわけですが、この天使は何が原因でライフが回復したかまでは感知しません。どんなに怪しげな薬を用いても回復は回復、対戦相手からはライフを、天使たちからは祝福をもぎとる魔女おばあちゃんは、実は若かりし日にはかなり遊んでいたクチなのかもしれません。小顔に見せるテクニックも心得てますし。


あなたのデッキ作りのインスピレーションに繋がれば幸いです。

マジック・ザ・ギャザリング
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